駅で切符を買うため、小銭を取りだそうとモタモタしていると
「兄ちゃん、これ使たらタダで乗れるで。使い。」
見ず知らずのおじさんが話しかけてきた。
と思うやいなや、おじさんはやや強引に一枚のカードを手渡した。
見ると、それは地下鉄の一日タダ乗り券だった。
おれがお礼を言う前に…というか状況を飲み込む前におじさんは通路の奥に消えていた。
カードを見たところ、アヤシイところはないみたいだ。
既に使いこまれてはいたが。
ここのところいろいろ大変だったからな。
なにかその労いみたいなものかもしれないぜ。
ここは有りがたく使わせてもらおう。
帰りの電車で平さんにお礼のメールを送ると、おれは一駅分のただ乗り区間を微睡みのなか満喫した。
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